(既に2018年が始まって3週間ですが)2017年も、たくさんの本を読みました。主に小説(ミステリー)とビジネス本。
最近は、電車の中ではスマホをいじっている人だらけでビビります。そっと画面を覗きこむと、5割はSNS、3割ゲーム、1割がKINDLE的なもので読書(漫画含む)、その他1割ってとこでtしょうか。そんな中、たとえ満員電車の中でも、せっせと本を広げて多読した一年でした。
読んだ本は、書評⑵、⑶、⑷、⑸ ですので、40冊以上は読んでいます(面白くなかった本は記事にしていません)。
数としては非常に少ないですね。。。もっと読んでいきたいのですがなかなか時間もなく・・・
さて、私が読んだ2017年に出版された本の中で最も面白かった本をここで発表致します!
題して、「東二条 読書大賞2017」です。
さて、
栄えある東二条 読書大賞2017に輝いた作品は・・・
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生涯投資家[著:村上世彰]です!
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価格:1,836円 |
2017年6月に出版された、村上ファンド総帥の村上さんの自伝的な本です。
子供時代、財務省官僚時代、ファンド立ち上げてからは東京スタイルへのプロキシーファイトで一躍有名になり、そして時の人になったニッポン放送への敵対的買収。この辺の裏話がばっちり書かれています。
私自身、当時まだ学生であり、金融用語の意味もきちんと把握せずにニュースを見ていたため、事件の詳細、何が焦点でどういったことが問題で騒いでいたのかわかっていない部分もあった。村上氏への印象としては、ぎょろっとした目で、しゃべり口調はかわいい感じで愛嬌があったのを記憶しています。特に、インサイダー疑惑に対して「(ライブドアがニッポン放送株を購入することを)聞いたか聞いていないかでいえば、聞いちゃったんですよねぇ」みたいなインタビューは憎めない印象だった。結果的に有罪判決であったことから、ブラックなイメージがついてしまい、その後は潜伏ではないが、日本の金融表舞台からは消えていたのでした。
そんな中の出版、座右の銘のような「生涯投資家」と銘打った本を出版し、話題の暴露本として騒がれていたので、読んでみることにしましたが、これが面白かった!
主に、東京スタイル、阪神電鉄、ニッポン放送、これらへの投資案件について語られているが、印象的なのは、PBRを重視していたこと。内部留保金と資産がそれだけあって売上に何故いかせないのか、と経営者に物申すことが「もの言う株主」である所以である。個人的には、PBRは、指標としての優先順位は低い。理論的には1を切っていれば、解散すれば投資を超えるリターンがあるはずですが、PBRが低いということは村上氏が言うように資産を生かし切れておらず、経営能力が低いという側面もある。ファンドとなると、そこは大量株保有者として、意見することができ、意見を言うプロセスで株価が上がり、キャピタルゲインを得るというカラクリなのか、と妙にしっくりくる手法でした。
株式投資への哲学も強く感じた。
会社は誰のものか?この議論は、たびたび聞かれるが、資本主義上はやはり株主のものである。どんな個人経営企業だったとしても、上場したら、「会社は誰が買ってもいいもの」と化してしまう。経営者はどこの馬の骨が分からない人間と触れたくないのであれば、上場などするな、というのが村上氏の意見である。至極ごもっとも。
最近は、上場がブームなのか、上場こそ善で上場が目標のようなベンチャーも多くありますが、今一度経営の在り方を考えるべきなのかなぁという気がしています。資本主義は今後も膨張するでしょうが、会社側においても上場リスクもある、ということをしかと感じました。
おそらく、村上という人は、華僑の子供ということもあって、かなりずる賢さを持った人なんだろうなぁと思う。商売上手というか、抜け目が無い人というか。しかし、本を読んで、コーポレートガバナンスへの考え、愛、知識は一流であったのでしょう。日本のコーポレートガバナンスへの考え方が遅れていることに警笛を鳴らしています。
村上ファンドのTOB騒動後、上場企業のスタンスは一変したと言っても過言ではありません。会社経営の開示が進み、株主還元の考え方も広く浸透したと思われます。
日本の金融市場を大きく変えた男の自伝(暴露本)を、2017年最も面白かった本として、「東二条 読書大賞2017」を勝手に送りたいと思います。
本とは、また別ですが、この本を出版したPRがてらのホリエモンと村上氏のインタビューも非常に面白い。
キャラの濃い二人が、惹かれあった瞬間・・・なかなか興味深いです。
ちなみに、次点としては、
1984年のUWF/著:柳澤健[文芸春秋]
を挙げたいです。
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価格:1,944円 |
書評は既にここに書いていますが、非常に面白い作品でした。
UWFという物語(ノンドキュメント)を堪能できます!
以上、東二条の読書大賞2017でした。