省エネ法が改正してエネルギー管理士が減る?

「エネルギーの使用の合理化等に関する法律の一部を改正する法律案」、いわゆる「省エネ法」の改正法案が閣議決定されており、2018年開会中の第196回国会(通常国会)に提出され、2018年6月5日に可決されたようです。

まぁ、国会を特別注視しているわけではありませんが、私も資格を所有しているエネルギー管理士に関系する法案だったので、記事にあげてみます。

本改正のポイントは以下の2点のようです。

1.企業連携による省エネの評価

産業部門・業務部門・運輸部門の更なる省エネを促進するため、複数事業者が連携する省エネ取組を認定し、省エネ量を事業者間で分配して報告することを認めることで、取り組んだ各事業者が適切に評価される制度を創設します。

 

2.貨物の「荷主」の定義見直しと「準荷主」の位置づけ

貨物輸送の更なる省エネを促進するため、現行法の「荷主」の定義を見直し、貨物の所有権を問わず、契約等で貨物の輸送方法を決定する事業者を荷主とすることで、ネット小売事業者を法律の規制対象に確実に位置づけ、省エネ取組を促します。

また、到着日時等を適切に指示することのできる貨物の荷受側を「準荷主」と位置づけ、「荷主」の省エネ取組への協力を求めます。

(経済産業省HPより引用)

 

今までは、企業ごとにエネルギー消費量を評価され、管理する必要がありました。年間エネルギー使用量の合計が1,500kl(原油換算)以上であるため特定事業者に認定された会社は例外なく全ての特定会社で省エネ法に縛られ、省エネ法の義務を果たす必要がありました。ここでいう省エネ法の義務というのは、エネルギー管理統括者の選任、エネルギー管理企画推進者の専任、定期報告・中長期計画の提出です。

この「企業ごと」というのはグループ会社であれ、親会社・子会社の関係であれ、法人が異なれば他社は他社になります。仮にグループ会社がいくつかあり、各グループ会社はエネルギー使用量が多く、特定事業者に認定されている場合、各グループ会社ごとにエネルギー管理統括者を認定し、その下にエネルギー管理企画推進者を任命、定期報告及び中長期計画を行う必要があります。

そう、各会社ごとに、です。

子会社なんだし、親会社とまるごとセットで認定して定期報告させてくれといってもダメだったのです。

 

しかし、今回の法改正では、グループ企業が一体的に省エネ取組を行うことについて認定を受けた場合、親会社による省エネ法の義務の一体的な履行を認めることになったのです。

つまり、子会社ではエネルギー管理統括者・エネルギー管理企画推進者の選任義務は無くなります。

ここで、エネルギー管理統括者は事業所長・工場長が任されることが多いようで、資格の有無は問われません。エネルギー管理企画推進者は実務推進者であり、エネルギー管理講習修了者 又は. エネルギー管理士の資格を有している者が選任されることが要件となっています。

つまり、今回の法改正で

エネルギー管理士の需要は減ります。

まぁ、世間的な省エネへの関心が薄くなっているというわけでなく、単に経営上の効率性を求めた法改正なので、今後も職務の重要性は変わりませんが、でも需要は減ります。

 

定期報告や中長期計画の提出といった資料作成は、グループ会社で重複するのも無駄だし、単に実務が減るので効果的だと思いますが、親会社にエネルギー管理士がいれば、子会社には不要だというのは、管理体制を充実させて省エネという目的を達成することに対して逆行している気がします。まぁ、そこは親会社がエネルギー管理を一体的に取り組むというところで担保できるのかもしれませんが、産業活動におけるエネルギー管理・省エネはあくまで現場からのボトムアップだと思うんですよね。まぁ資格ごときに囚われるのも間違っているのですが、資格って勉強する良い機会だしモチベーションにもなるという面もあります。

今後技術人材が枯渇することが予想できるのに、そういう人材は不要というメッセージがある改正に見えました。

 

 

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