最近読んだ面白かった本(4)

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事/著:デイヴ・アスプリ、訳:栗原百代[ダイヤモンド社]

シリコンバレー式自分を変える最強の食事 [ デイヴ・アスプリー ]

価格:1,728円
(2017/5/11 21:36時点)
感想(12件)


シリコンバレー式というのは、マーケッターが適当に着けた名前なのだろうで大げさだが、確かにこれは刺激的な本だった。とあるシリコンバレー在住の経営者がつづった健康オタク本。日本で流行ったケトン体ダイエットのようなイメージで、昼飯と夕飯は6時間以上空けないこと、朝飯は飢餓状態を維持するために珈琲(無塩バターを加えた「完全無欠珈琲」)を推奨している。また、バイオハックという単語が頻繁に出てくる。例えば食欲をコントロールするホルモンはグレリンとレプチンだが、これらをコントロール(ハック)して、体をのっとってしまうというイメージ。そのホルモンコントロールに準じた食品が完全無欠フードである。加えて、カビ毒をかなり気にしており、カビ毒が繁殖しそうなものもハイリスクフードとなる。

いろいろな食品を攻撃しているし食品効果に関する論文をつまみ食いのような感じであるため賛否両論かもしれないが、著者はかなり勉強していると思う。かなりの健康オタクに違いない。数十キロのダイエット実績があるらしい。

砂糖はコカイン、そしてグルテンは阿片。肝に銘じておこう。

一揆の原理 日本中世の一揆から現代のSNSまで/著:呉座勇一[洋泉社]

一揆の原理 (ちくま学芸文庫) [ 呉座勇一 ]

価格:1,080円
(2017/5/11 21:37時点)
感想(0件)


今注目の日本史研究家。本当は応仁の乱についての新書を読みたかったが、やはり著者のデビュー作から読むのが筋かと思い直しで、この本から。歌手のレキシといい日本史へのアプローチが流行っている気がする。著者によると一揆という古臭い農民が鋤や鍬を持って戦うイメージのものが、現代のSNSでの仲間意識と共通点を持っている。確かに、近世は大方平穏で百姓一揆があったくらいなのかもしれないが、それは武家による身分制度を固めたからであり、近世のような農民も僧侶も国人も関係なく政権に対して蜂起する方が現代の混沌とした感じと合致するかもしれない。難解すぎず、しかも非常に新しくてフレッシュな日本史観を堪能できる。他の作品も読んでみよう。

 

牧師館の殺人/著:アガサ・クリスティ、訳:安西水丸[ハヤカワ文庫]

牧師館の殺人 [ アガサ・クリスティ ]

価格:993円
(2017/5/11 21:37時点)
感想(1件)


クリスティ作品。クリスティといえば、ポアロシリーズが最も有名だが、意外にミス・マープルシリーズも多く10作品程ある。本作品はミス・マープルの初長編である(初登場は短編「火曜クラブ」とのこと)。ポアロの癖の強いキャラクターと比べて、ミス・マープルはとてもしなやかでスマートで、安楽椅子探偵の源流としてふさわしい名探偵である。これだけ短期でクリスティを読んでいると、既読作品のトリックがちらつき(特にアクロイド殺しに似ている)、その裏を読んで更に新たなトリックでおどろかされた。

 

書斎の死体/著:アガサ・クリスティ、訳:山本やよい[ハヤカワ文庫]

書斎の死体 (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ]

価格:820円
(2017/5/11 21:38時点)
感想(6件)


引き続きクリスティのマープル作品。時代背景が現代と異なるため、捜査には電子機器等は全く用いられていないことを念頭に読まなければならない。それを差し引いても面白い。題通り、書斎で発券される死体は設定がエキセントリックで面白いし、そこからの広がりは想像つかない程ストーリーラインは豊か。クリスティは本当に才能のある作家だと思う。なぜ今まで思っていなかったのだろう?

 

春にして君を離れ/著:アガサ・クリスティ、訳:中村妙子[ハヤカワ文庫]

春にして君を離れ [ アガサ・クリスティ ]

価格:734円
(2017/5/11 21:38時点)
感想(22件)


アガサ・クリスティのノンシリーズもの。人も死なない、事件も起きない、英国人老婦の自意識と葛藤を描いた作品だが、鬼気迫るものがある。人生の勝ち組として過ごしていたが、落ちぶれた旧友との再会から人生を振り返り、葛藤・後悔、自責の念に押しつぶされそうな程衰弱、そして空から与えられたかのような一つの道。中東という舞台も、孤独感が増す。サスペンスさながら恐怖心を感じつつもロマンチックな家族愛の話でもある。クリスティといえば、ポアロが有名だが、実はミス・マープルや本作品の主人公のような老婦を描いた方がキャラクターが生き生きと動き、物語がスイングしている。名作。

 

日本戦後史論/著:内田樹、白井聡[徳間書店]

日本戦後史論 [ 内田樹 ]

価格:1,620円
(2017/5/11 21:39時点)
感想(2件)


論客2人による頭のいい話。第二次世界大戦の反省・振り返りが無いままの日本は、いつまでも敗戦の時代が区切れていない。面白かった話が、日本人は潜在的にゴジラ映画のように現状の破壊を求めていること。陸軍は負けると分かっていながら、戦争に走ったのは実はここにある。さらに当時の陸軍は完全実力主義で、薩長土肥という藩閥の政治力が影響されていなかった聖域であり、陸軍トップは藩閥時代を破壊すべく戦争を開始したという。おもしろいなぁ。内田さんは頭のいい人なんだろうなぁと思う。しかし、あまり建設的な話題は無く。批判が主である。

 

カンブリア宮殿 村上龍×経済人 スゴい社長の金言/著:村上龍、編:テレビ東京報道局[日本経済新聞社]

カンブリア宮殿 村上龍×経済人 スゴい社長の金言 [ 村上 龍 ]

価格:1,728円
(2017/5/11 21:39時点)
感想(1件)


有名番組、カンブリア宮殿のインタビュー一部を文章化した本。すごい社長の金言集。カンブリア宮殿は10年続いているらしいが、この番組のキーはやはり村上龍の視点である。テレビ東京の取材力に村上龍のエッセンスが効いているのが、人気番組の秘訣なのだろう。こうやって文字化したものを読むと、社長たちの共通点や見抜く力など村上龍の力はさすがと感じる。さくっと読めるしおすすめ。

 

藤原和博の必ず食える1%の人になる方法/著:藤原和博[東洋経済新報社]

藤原和博の必ず食える1%の人になる方法 [ 藤原和博 ]

価格:1,512円
(2017/5/11 21:40時点)
感想(2件)


東洋経済オンラインでキングコング西野が激賞していたので、読んでみた。確かにおもしろいし、内容が画期的。4パターンに分類し、そのパターンごとにキャリアの進め方を指南している。1%の人になれば、希少性が上がり、必ず食えるということだが、シンプルなのは専門性を持つということなのだろう。その専門性は深堀りしなくても1%になれると思う。熱い本。

 

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド/著:村上春樹[新潮文庫]

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上巻) [ 村上春樹 ]

価格:810円
(2017/5/11 21:41時点)
感想(18件)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下巻) [ 村上春樹 ]

価格:723円
(2017/5/11 21:41時点)
感想(18件)


世界の終りパートとハードボイルド・ワンダーランドが交互に繰り返され、やがてひとつの点に集結する。村上春樹の本はノルウェーの森と風の歌を聴けくらいしか読んだことがないのだが、この本は本当にクセがすごい。不思議な世界を退廃的に描写する能力は流石だが、ゆっくりとぬるい風が吹くような印象というか、迷路に入り込んだ感覚というか。不思議だが、間違いなく傑作であろう。ただ、ミステリーとか読みすぎている自分としては、展開がゆっくりすぎる。

 

会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方 NISA対応/著:中桐啓貴、[クロスメディア・パブリッシング(インプレス)]

会社勤めでお金持ちになる人の考え方・投資のやり方 [ 中桐啓貴 ]

価格:1,598円
(2017/5/11 21:42時点)
感想(1件)


お金、株式投資、投資信託などについて優しい解説本。こういった本は投資信託会社を経営している人が書いていたりするので、最終的に投資信託を推奨する結果となる。本著もそうなのだが、逸れ抜きにしても株式投資の市場原理の解説は見事に分かりやすい。株が好きな僕でも、勉強になった。初心者にも熟練者にもおすすめの一冊。

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