不動産投資における表面利回りとネット利回り

参考記事:TATERU(旧会社名:インベスターズクラウド)でアパート経営を始める話

さて、不動産投資を始めるにあたり、最も理解しなければいけないことが「表面利回り」と「ネット利回り」です。
楽街や健美家といった投資物件用HPでも、利回りで物件をカテゴライズしていますし、街の不動産屋でも、「投資物件・利回りX%」といったチラシが張っています。
そもそも利回りとは、年間収益の投資金額に対する割合のことです。
100万円の債権を1年所有し、5万円の配当を得た場合、この投資は5%であるといえます。類似した言葉で「利率」という定義がありますが、これは1年間で受け取る利子の額面金額に対する割合のことです。100万円の預金で1万円の利子を得た場合、1%の利率であるといえます。まぁいまどき、そんな高利率は日本では達成できませんが・・・

さて、不動産投資における表面利回りとは、家賃・共益費といった収入に対する投資金額に対する割合のことをいいます。1,000万円の物件で、表面利回りが6%の場合は、60万円の家賃収入があるわけです。
しかし、不動産投資は、株やFXといった他の投資活動と違い、支出があります。
例えば、管理委託費が発生します。古き良き大家さん的スタイルを除いて、家賃を回収するのは委託された管理会社が行います。
また、建物に関する設備管理費。清掃作業や困りごとの受付も管理会社が行います。
そして、決定的に他の投資と違うのが、不動産を所有することによって固定資産税が発生します。
これら諸経費を収入から差し引いて収益を計算し、この収益に対する投資金額に対する割合、これをネット利回りといいます。
不動産業界では、表面利回りのみを提示して営業活動するケースが多いため、高利回りだと飛びついたら、ネット利回りは低いどころか赤字になってしまうということも少なくありません。表面利回りしか提示しない会社は、注意が必要ですね。

さて、実際にネット利回りがどれくらいになるか、区分マンションとアパートについてシミュレーションしてみました。

区分マンションの例

1例として、あくまでざっくりとした区分マンションの月次キャッシュフロー例を挙げてみます。

<条件>
表面利回りが約5%の2,400万円の1Rマンションを頭金ゼロで金利1.65%、35年でローン返済する場合。金額は、実際に最近紹介を受けた都内山手線内のシティマンションです。

 

2,400万円で、月に2万円、年間で24万円の収支となります。

しかし、残念ながらここから固定資産税が発生し粗利益はさらに低くなります。固定資産税は、固定資産評価額から算出されるため、請求されるまで細かい数字は判明しません。仮に固定資産税が10万円だとしたら、この物件は15万円の収益になり、よって税抜の状態で利回り1%、固定資産税を支払えば利回りは0.6%程度となります。更に、他の収入との合算次第ですが、所得税を支払う必要があります。仮に20%とすれば、所得税は3万円、最終収益は12万円、ネット利回りは0.5%となります!

なんとまぁ低い!5%だったはずの利回りが地に落ちてしまいました。

ここで礼金や敷金の収入は除いていますが、その際には必ず募集広告費というのも発生するため、相殺されてしまうイメージです。
固定資産税はあくまで想定であり、税金次第では限りなくゼロ又は赤字になってしまうこともあり得ます。
現に、このマンションを紹介してくれた業者さんは、赤字になっても本業所得と相殺することによる節税効果やローンで組む団体信用保険の効果を強く唱えていました。

1棟アパートの場合

では次に実際に管理人がTATERU Apartmentで投資実行に至ったケースについて月次キャッシュフローを例に挙げてみます。

<条件>
表面利回りが約5%の10,000万円のアパートを頭金ゼロで金利2.885%、35年でローン返済する場合。金額は、紹介を受けたものを多少簡潔にしています。

 

ネット利回りは1%以下の月々7万円となり、年間だと約90万円になります。

この時、TATERU Apartmentは賃貸管理も建物管理も行うので、纏めています。
ここでも固定資産税が引かれるわけですが、いくつか案件の紹介を受けていてアパートの場合は土地も含めて固定資産税は年間約30万円です。となると60万円の収益になるわけですね。さらに所得税が20%だとして、最終収益は48万円、1億円に対して48万円の収益なので、ネット利回りは約0.5%です。区分マンションと大きな差はありません。

さて、区分マンションとアパートにおけるキャッシュフロー例を提示して、結局何が申したいかといいますと、

不動産投資においては表面利回りに惑わされないことそして

物件のキャッシュフローを確認することこの2つが重要になります

表面利回りは、あたかも表面利回りが不動産の優劣を決めているかのように見えてしまいますが、不動産投資において単なる指標に過ぎません。経営手腕を発揮し、不動産投資に成功している一部の方々で、支出を最大限少なくするために、賃貸管理と設備管理を自己で行う人もいます。当たり前のことですが、収入と支出の差である収益はいくらなのか、ということが重要です。
また物件の投資金額も実は関係ありません。キャッシュフローに着目しましょう。投資金額のほとんどが融資で始めるケースが多いでしょうから、ローンを支払った上で、いくら手元に金額が残るのか、という1点のみが重要です。なんなら売却益も含めて想定し、投資可否を検討するべきなのです。

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